アフリカや東南アジアなど、暖かい地域でよく見られるモリンガ(Moringa)は、昔から薬草や食材として広く使われてきました。この植物は一つも捨てる箇所がないことが特徴で、栄養価が非常に高いことから、「奇跡の木」とも呼ばれます。土壌や気候の条件が悪いところでも栽培が可能で、水が少なくてもよく成長し、病虫にも強いなど高い生命力が特徴です。
モリンガのさまざまな効能
インドの古代伝統医学のアーユルヴェーダには、モリンガが300種類以上の病気に効果があると記録されていて、世界のスーパーフード10選に挙げられるほど優れた効能を誇リます。
モリンガの効能(一部抜粋)
・成人病、肥満などの予防
・糖尿病、高血圧の予防
・毛髪強化
・肌の改善
・コレステロール値や空腹時血糖値の調節
・整腸作用(食物繊維が豊富)
・約46種類の抗炎および抗がん成分
・慢性疲労回復(ビタミンC)
・老眼やドライアイ(ビタミンA)
・炎症の抑制
・逆流性食道炎の改善
モリンガは葉・茎・根・果実・花・種子・樹皮・樹液・抽出オイルまですべての部分を摂取することができます。また、少量でも90種類以上の様々な栄養素を摂取でき、私たちの身体が生成できない9つの必須アミノ酸を含んでいます。その他にも、牛乳よりカルシウムが3倍以上多く、葉100gにはビタミンAがニンジンの3倍以上、ビタミンCはオレンジの7倍以上、タンパク質は大豆の2倍ほど含まれているなど、高い栄養価もモリンガの特徴です。
モリンガの活用方法
一般的にモリンガの葉は乾燥して粉末で食べたり、茶葉として使用します。甘くはありませんが、牛乳を混ぜると抹茶ラテのようで飲みやすいのでおすすめです。また、モリンガの葉を軽く茹でて単独で食べるなど、食材として活用することもあるそうです。
根も煎じ飲むと咳・痰に効果的で利尿作用もありますし、美容に良いモリンガの種から抽出したオイルは皮膚や頭皮の健康のために化粧品原料として使用されます。かの有名なシャネルの香水「No.5」の主原料も、まさにモリンガの花なのだとか。
モリンガの副作用
良いところばかりに見えるモリンガにも副作用があります。
カリウムを多く含んでいるので、腎臓病患者または膀胱炎、尿路結石患者は専門医に相談してから摂取しなければなりません。また、子宮収縮を誘発するため、妊婦や授乳中の女性も使用には注意が必要です。
モリンガを過度に摂取すると、じんましんや下痢などの副作用が現れることもあるので1日の適正摂取量(約3g程度)を守るようにしてください。